フクロモモンガの飼育は他のペットに比べて、とてもシンプルです!飼育の準備・食事の用意・ペットのお世話など犬・猫に比べて対応することが少ないので飼いやすいです。
また、ハリネズミやハムスターなどの小動物に比べて感情表現が豊かでコミュニケーションが取れるため、みなさんのライフスタイルが充実すること間違いなしです(笑)
しかし、正しく飼育知識でフクロモモンガと接しないと飼い主とペットがともに後悔します。本記事ではフクロモモンガの飼育方法や必要なものについて解説します。
フクロモモンガの特徴や性格
フクロモモンガは、体長が10〜15cmと小型で、夜行性で木の上で生活し果実や昆虫を食べます。また、空を飛ぶことでも知られていますが、鳥のように羽ばたくのではなく、グライダーのように滑空しています。
そして、オーストラリア、インドネシア、パファニューギニアなど温帯から熱帯地域に生息しております。
カンガルーやコアラのようにお腹の袋で子供を育て、鳴き声や匂いなどでコミュニケーションをとります。
フクロモモンガは非常に警戒心が強く臆病な性格のため、飼い主に馴れるまでは身を隠すことが多いです。また、縄張り意識も強いため、時間をかけてなつくのを待ち飼育しましょう。
飼育に必要なもの
フクロモモンガが快適に過ごせるように飼育セットを用意しましょう!
できる限り野生の環境を整えられるとよいです。数万円で必要なものを用意できますので、他のペットに比べて低価格で飼育できるのもフクロモモンガのよいところです。
ケージ(アクリル製or ステンレス製)
フクロモモンガのために設計されたケージが必要です。床面積が広く、高さがあるタイプが適しています。ケージは下記の画像のようにヒーター・水入れ(給水ボトル)・止まり木が設置できるものを用意しましょう。
食事(エサ)
フクロモモンガは、主に昆虫や果物を食べます。ただ、昆虫が苦手な方も多いと思います。その際は、ペットショップで購入できるフクロモモンガ専用のエサもあります。
例えば、食事はこんなイメージです。
餌入れ
ケージにエサを入れるための容器が必要です。陶器やステンレス製のものが適しています。エサがないととトイレと勘違いされてしまうので注意が必要です(笑)
水入れ(給水ボトル)
フクロモモンガは水をよく飲みますので、水入れを設置する必要があります。複数あると安心して飼育できます。
寝床(ポーチ・巣箱)
フクロモモンガは暗くて静かな場所で寝るのが好きです。ケージ内に木製のボックスや布で作ったポーチを用意すると良いでしょう。モフモフだとなおよいです。
遊び道具(ひも・回し車・猫じゃらしなど)
フクロモモンガが運動できるように遊び道具を置きます。ストレス発散にもなるのでペットが気にいった物を与えましょう。
止まり木(ステージ)
ケージ内の移動や餌入れを設置するために用意します。フクロモモンガはトイレを覚えないためおしっこやうんちを止まり木にする傾向があります。そのため、一定期間で交換するとよいです。
温度計・湿度計・ペットヒーター
客観的に飼育環境を作るために、ケージを「室温:24~27℃・湿度:50%前後」に保つことが必要です。
床材(ペットシート or 木質ペレット or ウッドチップ)
フクロモモンガはトイレを決まった場所にはしません。そのため、ケージのおしっこ対策に加えフクロモモンガが飛び跳ねる際にクッションで床材を用意しましょう。
消臭スプレー
フクロモモンガの臭い対策や清潔感を保つために用意しましょう。掃除の大変さをなくせます。
その他 or 飼育グッズをまとめて揃えたい方向け
以上のグッズを用意すればフクロモモンガをいつでも迎え入れられます。
もし、各グッズ用意するのが面倒な方はすべて揃った飼育セットを購入しましょう。下記の商品であればフクロモモンガをすぐに迎えることが可能です。
金網ケージが良い!セットのアクリルケージが好きじゃない方は、ケージを抜いた初心者飼育セットをおすすめします。
また、コミュニケーションをとる際にモフモフタオルを使うとフクロモモンガが気持ちよさそうな顔をするのでおすすめです。
また、フリースを着ることでフクロモモンガが自分の身体に来ても爪で傷つくのを防ぎます。意外と爪は鋭いため、対策をしないと肌荒れがひどくなるので注意が必要です。
なお、フクロモモンガの飼育で重要なケージやペットヒーターについて詳細を知りたい方は下記をご確認ください。
エサや食事の種類と量
フクロモモンガ専用のペレットを与えましょう。ペレットは様々な食材をバランスよく混ぜて小さな塊にしたものです。
主食としてはペレットだけを与えてもよいのですが、人間と同じでフクロモモンガも同じ食事は飽きると思うのでおやつなど副食も一緒に与えてよいです。
例えば、昆虫やミールワームなど野生に近いエサもよいですし、オレンジ・梨・メロンのような果物やフクロモモンガ専用のゼリーやチーズもおすすめです。
個体によって嗜好が異なることが多いため、いろいろな種類のエサを試して好みを見つけることがおすすめです。
適切な食事量は、主食と副食を合わせて体重の15〜20%程度です。副食を与える場合は、動物性と植物性の両方のエサをバランス良く与えましょう。
栄養バランスが崩れると肥満体型になってしまうことがあるため、人間と同じように注意が必要です。
また、フクロモモンガは夜行性の動物なので、メインの食事は夜に与えるようにしましょう。
食事について詳しく知りたい方は下記をご確認ください。
温度や湿度、掃除など飼育環境の管理方法
フクロモモンガを飼育する際には、ケージ内の温度と湿度を「室温:24~27℃・湿度:50%前後」の一定に保ちます。
また、飛び跳ねられる高さを考えて「横・奥30cm×高さ50cm以上」の大きさのケージでしいくしましょう。
なお、直射日光の当たらない場所に設置することが重要です。また、樹上生活をするフクロモモンガにとっては、高い場所にケージを設置することが望ましく、寝床の配置にも注意が必要である。
これらの点を押さえた適切な環境を整えることで、フクロモモンガを健康的に飼育できます。
掃除は朝と夜の2回に数分だけやり、食べ物と水の交換は毎日しましょう。
寒さや暑さ対策のための温度管理について詳しく知りたい方は下記をご確認ください。
なつかせる方法
フクロモモンガは小動物のなかではなつきやすい部類です。ただ、臆病で神経質な性格のため、根気よくコミュニケーションをとりましょう!
まず最初にやることは「飼い主のニオイ」を覚えさせることです。フクロモモンガが飼い主に好意的になると飼育の大変さをとても軽減することが可能です。
フクロモモンガはニオイを共有して仲間を判断するため、飼い主のニオイを覚えさせることが大切!
飼い主のニオイをタオルや靴下につけて、寝床やケージに置く方法があり、首掛けポーチに入れて飼い主の身につける方法もあります。
なつかせ方の詳細を知りたい方は下記をご確認ください。
運動や遊びの方法と注意点
へやんぽがおすすめです!「へやんぽ」とは、フクロモモンガを部屋で散歩させることで、ケージよりも自由に動けるため、フクロモモンガも活発になります。
ただし、物の隙間には注意が必要で、飼い主がコントロールできる範囲で行うことが望ましいです。
また、滑空・飛行は高いところから下に滑空することで、フクロモモンガの最適な運動になります。
猫じゃらしや回し車も楽しんで遊ぶことができますが、フクロモモンガの好みによっては興味を示さないこともあります。
紐には特に興味を示し、遊びながら巣に持ち帰り、部屋のリフォームにも活用することもあります。
遊ばせ方について詳しく知りたい方は下記をご確認ください。
病気や健康管理の方法と予防策
フクロモモンガによく見られる病気として、自咬症やペニス脱、肥満があります。
自咬症
身体を傷つける病気で、原因としてストレスや身体の不快感があると思われます。
ペニス脱
ペニスが長時間出たままになってしまうことで、濡れた綿棒で触ると引っ込みます。
肥満
消費カロリーよりも摂取カロリーが多いと起こるため、フクロモモンガの好みに合わせた食事と適切な運動が必要です。動物病院の指示を仰ぎ、適切な対策を行うことが重要です。
フクロモモンガに降りかかる病気やケガについて詳しく知りたい方は下記をご確認ください。
飼育のよくある質問・疑問
Q:フクロモモンガの値段はどのくらいですか?
2万円が相場です。最大で10万円を想定するとよいでしょう。
値段が変わる要因としては「毛並みの美しさ」「色・模様」「性別」が主な理由です。
例えば。オスよりもメスのほうが臭いが抑えられ育てやすいと認識されているため高くなる傾向です。
また、「真っ白な毛並み」のリューシスティックや「銀色の毛並み」のプラチナなど儚い色合いはノーマルに比べて値段が少し高いです。
Q:ケージの臭い対策はどうすればよいですか?
フクロモモンガの臭いは「脱臭機+掃除」で消すことで飼い主のストレスを軽減できます。掃除や対策に関しては小学生でも行えるくらい簡単なため、初めてフクロモモンガを飼う方もご安心ください。
ただし、完全に臭いを消すとフクロモモンガのストレスになるので注意が必要です。
なぜなら、フクロモモンガの臭いは「縄張りの主張」「仲間とのコミュニケーション」を行うために分泌物や排泄物を活用しています。
そのため、分泌物や排泄物を完全になくすとフクロモモンガの目的が達成できずストレスを与えてしまい、体調を崩す可能性もあります。
詳しくは下記をご確認ください。
Q:鳴き声はどんな感情を表現していますか?
喜怒哀楽の感情を伝えております。
例えば、「ぷくぷく=しあわせorうれしい」「わんわん=さびしいor仲間を呼ぶ」などフクロモモンガ間では鳴き声を使い分けることでコミュニケーションします。
そのため、ほかの小動物に比べて飼育がしやすく、犬や猫のような感覚で大切にしたくなるでしょう。
また、フクロモモンガの鳴き声を真似して話すと返事をしてくれることもあります(笑)
鳴き声の詳細や対策については下記をご確認ください。
Q:フクロモモンガはトレイを覚えますか?
基本的には覚えないと思ったほうが良いです。そのため、ケージ内は掃除をしないとおしっこやうんちがあらゆる箇所に置かれています。
ただ、犬猫ほどではないですが、個体によってはトイレをする止まり木を決める傾向もあります。
例えば、私が飼育しているフクロモモンガたちは一番高い止まり木でおしっこやうんちをすることが多いです。
Q:旅行やおでかけの時が不安です・・・
ペットカメラを設置したほうが良いです!
特に、旅行やおでかけなど、一定期間フクロモモンガを見ることができないと飼い主自身が不安やストレスを感じます。
そのため、ペットカメラを設置することでケージをいつでも確認し、飼い主とフクロモモンガが安心感を得ることが可能です。
詳しくは下記をご確認ください。
Q:ペットヒータは必要ですか?
絶対に必要です!
フクロモモンガの寒さ対策のために、必ず冬にはペットヒーターをケージに設置して「室温:24~27℃・湿度:50%前後」を保ちましょう!
ペットヒーターはケージに設置すれば、その後機械が温度管理してくれるのでとても簡単です。
ペットヒーター活用方法やおすすめは下記をご確認ください。
Q:ケージの選び方やおすすめはありますか?
フクロモモンガのケージは、「室温:24~27℃・湿度:50%前後を保てる」「飛び跳ねられる高さ」を判断基準として選択しましょう!
人間がライフスタイルを快適にするために最適な住居を選ぶように、ケージの環境次第でフクロモモンガの過ごしやすさはとても変わります。
詳しくは下記をご確認ください。
Q:赤ちゃん(脱嚢8週以内)フクロモモンガの育て方は?
赤ちゃんの場合は大人のフクロモモンガと対応が違う点があります。正確にいうと脱嚢(だつのう)してから8週以内についてお伝えします。
※脱嚢(だつのう)とは?
カンガルーなど有袋類がお母さんのふくろから出る現象です。有袋類の赤ちゃんは生まれたとき母親のふくろ(育児嚢)で育てられます。生後2か月ほどで赤ちゃんがふくろからでてきます。その後は母乳を飲むことで成長し脱嚢2か月後には離乳します。
〇食事
赤ちゃんフクロモモンガの食事はミルクがメインです。
最初は警戒心が高いためスポイトでミルクをあげていきましょう。
ミルクを与え続けて威嚇が和らいできたら、指にミルクをつけてなめさせていきます。
脱嚢(だつのう)してから6~8週までミルクを与えることをおすすめします。ミルクは市販のフクロモモンガ専用の製品でOKです!
尚、スポイトでミルクを与える際はフクロモモンガが舐めやすいようにゆっくりと1滴ずつ与えましょう。
ミルクを与える量は脱嚢(だつのう)の経過によって変わります。
・脱嚢から2週まで:1~2時間ごとに0.3~0.5cc
・脱嚢から2~4週まで:2~3時間ごとに0.5~1.0cc
・脱嚢から4~6週まで:3~4時間ごとに1.0~2.0cc
・脱嚢から6~8週まで:2.0~4.0cc+大人のエサ
※ミルクは人肌くらいの温かさ
〇排泄
赤ちゃんのときは自分で排泄ができないことがあります。おしっこ・うんちがない場合は排泄できていないため濡らした綿棒などでお尻近辺を優しく刺激しましょう。1日2回以上、フクロモモンガ自身で排泄できるまでは注意が必要です。
〇温度・湿度
温度:30~34℃、湿度:50~60%と暖かく暗い環境で育てましょう。ただ、成長するにつれてフクロモモンガの適温の24~27℃に下げましょう。
Q:犬や猫など他の動物と一緒に飼えますか?
フクロモモンガとほかの動物は「棲み分けされている」のであれば安心して飼育できます。
・犬や猫の届かない場所にフクロモモンガのケージがある
・フクロモモンガとほかのペットの遊ばせる時間帯を一緒にしない
・どちらかが威嚇するようであれば関わらせない
など、お互いの相性をみながら過ごせる環境を整えることが大切です。しかし、種族ごとに気をつけることはありますので、詳しくは下記をご確認ください。
Q:フクロモモンガの飼育で大変なことはなんですか?
私が一番大変と感じたことは「飼育情報が他のペットに比べて少ない」ことです。犬や猫であれば実績あるブリーダーや優良企業による飼育情報の発信がされているため信頼できます。
ただ、フクロモモンガの飼育情報は個人ブログが多く、主観的な内容が記載されていることで自身のペットに通用するか不安がありました。
ただ、フクロモモンガがテレビに取り上げられる機会も増えたことで、昔に比べて信憑性が高い専門家による客観的な情報が増えてきたのはうれしく思います。
他に大変なこととしては、「なつくまでは忍耐が必要」です(笑)
飼い始めは威嚇されるため一緒に暮らしていけるがすごく不安でした。しかし、愛情もってかかわることでだんだんとなついてもらい、今では一生のパートナーになれました。
他にも大変なことは出てくると思いますが、愛情をもって接することを忘れなければ大変な出来事はだんだんとなくなっていきます。
Q:フクロモモンガを飼育して後悔しますか?
ないです!(笑)
愛くるしい姿に加えて感情表現が豊かな小動物は他にはいないため、犬・猫に次ぐ最良のパートナーと言えるでしょう。
また、飼育の手間や費用を考えても子供でも育てることができる動物です。
とはいえ、慣れるまでは大変なことは事実です。「躊躇する」「不安が解消できない」と思う方は下記をご確認ください。
Q:ケージのどこに食事を置くといいですか?
フクロモモンガは木の上で生活するため、ケージの高いところに置くとよいです。
飼育の参考になる本
フクロモモンガを飼育している人は他の動物に比べてすくないため情報が不足することもしばしば・・・。フクロモモンガの飼育が大変と言われる1つの要因です。
そのため、初めて飼育する場合は書籍から情報をインプットすることが大切です。私が参考にしたのは下記の本です。その辺りを読めば、基本的には飼育に対する不安はなくなります。
フクロモモンガ完全飼育 飼育管理の基本、生態、接し方、病気がよくわかる (PERFECT PET OWNER’S GUIDES)大野 瑞絵
フクロモモンガ 飼育バイブル 長く元気に暮らす50のポイント
また、WEBサイトからも情報を収集するのも効果的でした。ただ、情報の品質が悪いサイトが多いのは欠点です。
そのため、「フクロモモンガを飼育した経験から情報発信しているか?」「何を参考に情報を発信しているか?」を把握できるサイトから情報収集しましょう。
最後に
フクロモモンガの飼育方法について解説しましたが、正しい知識を身につければ安心して飼育することが可能です。
逆に大変なイメージや不安があるようであれば情報が不足していますのでしっかり勉強することが大事です。
ただ、昔と違いフクロモモンガを飼育している方は増えているので情報収集や飼い主とのコミュニケーションもしやすいため、大変さは少なくなり不安や後悔なく迎え入れることができます。
もし、気になることは不安があればお気軽にお問い合わせください。